■特別なキモチ■

季節が冬になり、空気が冷たく澄んでくると思い出す
「特別なキモチ」があります。

６年ほど前の冬、ギリシャ－イタリア－フランスと約14日間に渡って
１人旅したことがありました。
（厳密に言うと、フリープランのツアーに１人で参加したのです）

ツアーの８日目で、ローマに入って４日目という日のことです。
それまでは緊張と興奮で早朝には目が覚めていたのですが、
この日は目が覚めた時はAM9：30くらい。
ここまで、アテネ・ローマ（フィレンツェ）と旅してきて、
海外の雰囲気にもかなり慣れてきて緊張感も和らいだせいでしょうか。

この日の私の気持ちは穏やかで、
「もったいないことをした！」という思いにもならず、
どうせなら今日の午前中はホテルの部屋で
ゆっくり過ごそうと思ったのです。
こんな風に自由に過ごせるのが１人旅でフリープランの気楽なところ。

ということで、２日ほどサボっていた日記を書いたり、
午後からどこへ行こうかと観光ガイドや建築マップなどに目を通したり、
ホテルの部屋のスケッチをしたりしていました。
そのスケッチの最中、部屋にはちょっと広めの
バルコニーがあることに気がつきました。
時期は３月になったばかりで冬まっさかり。
でもこの日は天気も穏やかだったので、
バルコニーに出てみようという気になりました。

タイル敷きの床に足がヒヤッとしたのと、
頬に当たる冷たい風が気持ち良かったのを強く覚えています。
そこには、ローマ郊外の緑豊かでゆったりした風景が広がります。
その演出に過ぎない普通の風景からは街の生活が感じられ、
バルコニーの手すりに肘をついて街を眺めていると、
自分がこの街に住んでいるようなキモチになって、
思わずはにかんでしまうのでした。
（まだハニカミ王子なんて言葉はない頃です、笑）

この時の、なんとも言えない「特別なキモチ」がふと思い出され、
なんだか胸の奥がくすぐったくなり、また旅に出たくなるのです。

このような「特別なキモチ」という経験を重ねることによって、
人生がどんどん豊かなものになってゆくのではないでしょうか。

ちなみに、この日をどのように過ごしたのか、さらっと書いてみます。
旅の雰囲気を味わっていただけたらと思います。

お昼も近づきおなかも空いてきたので、
AM11：30過ぎにやっとお出かけ。
まずはBAR（バール）にて腹ごしらえ。
オムレツ入りのパニーニを食べたと日記にはありますが、
とんと記憶にございません（笑）
でも、すごくおいしそうですよね～♪
その後、サンピエトロ寺院の巨大クーポラに登るべく、
地下鉄に乗ってバチカン市国へ向かいました。
そしてそのクーポラを見上げながら、またスケッチを１枚。
通りすがりの観光客に「ビュ～リフォ～！」と絵を褒められ、
すっかり上機嫌♪
その後買い物がてらローマの街をぶらつき、
コロッセオを見学した頃には日も落ちかけていました。
地下鉄でホテルの最寄の駅まで。
駅近くのお店で夕食用のピザを購入。
（色々な種類の中から１カットずつ購入可能なのです）
PM10:00くらいにホテルのバーで、ツアー仲間と共に
あたたかいカプチーノを飲みながら話し込む。
そうしてローマの夜は更けていきました・・・

どうですか、みなさんも旅に出たくなったでしょう！？


●ホテルの部屋のスケッチです。Room205でした。


●外人さんに褒めていただいたスケッチ。
　サン・ピエトロ寺院の巨大クーポラを見上げたところ。


●サン・ピエトロ寺院クーポラ上部より
　サン・ピエトロ広場を見下ろしながら写真をパシャリ！