よく外観を合掌造り風に見せるようなデザインの
建物がありますが、それは絶対にやりません!
何故なら、本物がそこに存在するからです。
偽物をつくって何の意味もありません。
この診療所では、暗くなりがちな中廊下に
自然光を落とす仕組みとしてトップライトを設けますが、
その自然光を拡散し柔らかな反射光に変える仕組みとして
構造材である登り梁(屋根を支える斜めの梁)を活用しています。
そのトップライトからの光を妨げないように
また連続感を阻害しないように、棟木を設けずに、
登り梁が山形に合さる形状としました。
この、手と手を合わせた「合掌」の様な形状がまさに合掌造りの
屋根構成へのオマージュなんです。
合掌造りの屋根の角度は60度の正三角形で、診療所はそれよりも
随分と角度が緩いので形状は全く似ていませんが、重い雪を支える
屋根の構造美を別の表現であらわしたいと考えました。
(写真の茅葺合掌造り民家は現場のすぐそばにあります)
さあ、この後も構造的に大切な工事が続きます。
がんばろ!