富山県の67%が森林だって知っていましたか?
この内人工林は約18%で、どうもこの管理がしっかとされてこなかった。
だから僕たちの手元に届く建築材料には死に節・抜け節という部分が多く、
これが富山県産材は質が悪いという印象に繋がっている。
目玉となるような公共建築で、県産材の使用というのは
どの県・市町村でも行われていますが、これがまたビックリするような
綺麗な材料を使っている事例が多い・・・
こういう材料はね、他県に出しても売れるんです。
多少見てくれの悪いものを如何に上手く使うか、
丸太1本を如何に無駄なく使うか、
そういう材の消費方法を県内の公共建築では見本として
示してほしいと切に願うのです。
空間によっては節が相応しくない、そんなこともあるでしょう。
しかし、無駄を沢山出しながら、これでもかってくらいに綺麗な材料を
使いまくって県産材利用ですよ、富山県の木材って綺麗でしょ、
なんていうアピールをするのはやはり違和感を感じてしまう。
もし「富山県産材」と謳うのであれば、現在の森林管理、製材業者、
建築業者それぞれの状況と認識などをしっかりと踏まえていなければ
意味がないと思うんです。そしてその旗振りは建築設計者がやらなくては
ならない。行政のせいにばかりせずにね。
木造なんだから真壁で木材を見せて、
と一生懸命になっていた時期もありますが、
隠す部分と見せる部分のバランスをとった建築表現とすることで
一等材(節がごろごろと多い材)の使い方を工夫していて、
住宅の設計ではそれを実践しています。
その方がね、肩に力が入り過ぎずに自然体で材料に接することが
できるので良いのかなと僕は思ってます。今のところ。
正解なんてものはありませんが、
物事の本質は見失わずにいたいもんです。
小さいものからね、コツコツとやっていきましょうよ。