『根塚町のいえ』
構造材の材料検査を行いました。
今回はあらわしになる化粧材はないので、品質だけのチェックです。
ここでちょっとマニアックな話を一つ。
構造材の品質として大切なのが含水率で、日本農林規格では、構造材においては20%以下にすることを基準としています。これは、木材の収縮が含水率約30%以下に低下してから始まるためで、寸法変化により骨組にガタツキが出ないようにするためです。
しかし、実際のところ、性質にバラツキのある構造材を全て綺麗に20%以下で揃えるのはなかなか難しいので、独自の判断基準でチェックしています。
例えば、含水率が高いと木材のクリープ変形も
大きくなるので、大きな荷重を受ける部材は20%以下を守る、と言うように、実情を踏まえてチェックすることで許容する部分も設けて、対応しています。
限られた時間の中で、経済効率的な要素も踏まえた判断が必要になるのが建築の難しいところで、机上の理論だけでは物事は進まないのです。
そんな中でも、適切な判断を下せる経験と知識を持っているのが優れた設計者だと思うので、常にそこを目指したいと思って業務に臨んでいる次第です。
↓荒井好一郎建築設計室HP