『高岡まちなかの鉄骨住宅リノベ』
ピアノサロンの天井ルーバー施工が完了しました!
しっかりとした下準備のお陰でルーバー取付け作業はスムーズでした。まさに段取り八分ですね。それでも、なるべく壁にギリギリに納めるために、一箇所ずつ寸法を測ってルーバー材の切断長さを決めながらの作業ですから、それなりに時間は掛かります。
當田棟梁は「逃げ」と「攻め」のバランスが非常に設計者感覚に近く、仕上り具合を見据えた判断が優れているなぁと感心します。ですから、上手くいかないと思った時は設計者が考えた納まりにもしっかりと反論されますので、全員が建築主の喜び・満足度にコミットすべき分離発注工事においては理想的なパートナーですね。
さて、A+Aでは定番となっている天井ルーバーを用いたデザイン。これまでは吹抜けに設けて、天窓や高窓からの光を柔らかく変化させて下に届ける装置として活用していましたが、今回は目的が違っています。
1つ目は、音響効果。天井ルーバーは音の反射や吸収を調整するために使用されることもあり、特に木製ルーバーは、音の響きをコントロールしエコーを抑える効果があることが知られています。グランドピアノを置く部屋の天井なのでそのような効果に期待しています。
2つ目は、照明器具隠し。リノベーション前の住まいでは、お子さん達がコンサートごっこをしていたのを設計時にうかがって、それなら徹底的に「ごっこ」を楽しんでもらいたい!と思い、下がり壁には間接照明を仕込み、天井には調光可能なスポットライトを設置すると共にその存在をルーバー材で和らげようと考えました。天井を黒くしているのも照明器具の存在を曖昧にしようという意図で、同時にルーバー材を際立たせる役割もあります。
3つ目は、意匠性。連続する天井ルーバーがつくり出すリズミカルな雰囲気はピアノ室にぴったりのデザインだと思いました。さらにルーバー材の向きを窓と平行方向にすることで、ロールスクリーンボックスとしての機能も持たせて、スッキリとした納まりをつくることにも役立つという狙いもあるんです。
ということで、ロールスクリーンが取り付けられ、照明器具が点灯した時が本当の完成形となりますが、それはまだもう少し先になりますので設計者としても待ち遠しいところです(´▽`)