『高岡まちなかの鉄骨住宅リノベ』木製建具の吊り込みが完了しました。
ということで、こだわりの建具をご紹介。
解体工事の時に発見した簾戸。昔は襖とは別に風が通る戸を持っていて、夏になると入れ替えたんですよね。ふとんを敷けばそこが寝室になるというのと同じで、これぞ日本人の「設えの文化」。
見た瞬間に「これは捨てるのはもったいない!」と思い、すぐさま建具業者さんに電話して取りに来てもらいました。その後活用を検討して、完全オープンにする予定だった2階の多目的スペースの間仕切りにすることをご提案し、建て主さんに了承をいただきました。
ただ昔の戸ですから高さが低いんですね。測ってみると1758㎜。いわゆる5尺8寸という昔の基準的な高さの通りですが、これではやはり低すぎます。更に4枚で間口ピッタリにするには少し幅が足りない。そこで、上下左右に枠を付け足すことにして、下枠には戸車を仕込んでより開閉しやすくなるようにリメイク。
階段を上がると、風と光を通す簾戸のスクリーンが印象的にお出迎え。4本引きにしたので、不要な時にはササ―っと片方に寄せることで階段ホールと多目的スペースを一体空間にすることが可能です。半個室化できるようになったことで活用方法が増えそうです。
建て主さんは、幼いながらに夏の戸の入れ替え作業のことを覚えておられて、懐かしんでおられました。
ささやかではありますがリノベならではのデザインをご提供できたのかなと思い、嬉しくなりました(´▽`)