建築は完成した瞬間がいちばん美しいのではなく、そこから年月を重ねていくことで深みを増していきます。木は色を変え、壁は少しずつ風合いを増し、庭は成長して建物と寄り添うようになります。
経年変化は避けられないものではなく、むしろ住まいにとってのご褒美のようなもの。小さな傷や染みでさえ、暮らしの歴史を物語る証になります。
設計のとき、私は「自分が設計した家が10年後、20年後にどう見えるか」をよく想像します。住まいが人と共に歳を重ね、ますます愛される存在になっていくこと。それこそが建築の本当の価値だと思っています。